Clan世界は幾つかの大陸と広大な海で構成されている。
が、本編に登場するのはごく限られた辺境地域のみである。
ここでは世界全体の構成と、本編の舞台となる辺境及び周辺地域を補足説明する。


-------------------------------------------------------------------------------

【乗り物】
馬車やそれに類似した乗り物は存在するが、人が動物の背に乗るという風習はない。
移動は主に徒歩、あるいは列車で行われる。

【エネルギー】
Clan世界での主な文明的エネルギーは、石炭や化石燃料から生み出されている。
電力が生活の中で使用されているが、多くは手回し、蒸気で発電されている。
一方で、Clan世界は根源の不確かな、妖しげなエネルギーが働いている場所も多い。
「繋がりの街」では誰も手入れしないまま、何世代にも渡って鐘楼の鐘が鳴り続けているし、各地を駆け巡る列車は無尽蔵に電力を生み出しながら走り続けている。また、「都」には電力を大量に消費する施設も存在しているが、そのエネルギーがどこから来ているのかは全く不明である。


【宗教】
Clan世界には「神」あるいは「宗教」の概念がない。
人々は神ではなく、「世界」を感じて生きている。
自らが「世界の一部」であることを認識し、自身や人生と向き合っているのだ。

【通貨】
Clan世界には「金」、「商売」の概念が無い。
全ての人は、物心がつく頃に「自分が為すべき仕事」を漠然と理解し、やがてそれを行う。
「世界の一部」として為すべき事をそれぞれが自己欲求のままに行っているため、金銭のやり取りや契約関係は存在していない。
強奪・略奪を肯定する思考は、時にある条件を持つ者の中に生まれるが(ガルガンチュアのように)、大抵の場合、それは「世界の秩序維持力」によって矯正される。

【単位】
距離、長さ、面積は基本的にメートル法が使われている。
時にエーカー、マイル、ノットなどが使用されることもある。
パンタグリュエルの使用した「死霊速」は、パンタグリュエル独自の速度概念に名前を与えたもので、一般には使用されていない。

【時間】
時間は「秒」、「分」、「時」が用いられている。
が、「日」、「週」、「月」といった大きな時の単位や「曜日」の概念はない。
そのため、「昨日」、「今日」、「明日」以外の日を指す時は「二晩前」「700陽が落ちた日」などと言い表す。
季節は「春」「夏」「秋」「冬」に「初春」「晩春」「初夏」「晩夏」「初秋」「晩秋」「初冬」「晩冬」を加えた12の言葉で表されるが、そもそも「年」の概念が希薄且つ曖昧なものなので、明確にどこからどこまでがどの季節と定められているわけでもなく、また、1年が12の期間に分けられているわけでもない。
時には10年のことを「100の季節」などと表現することもある。

【天体】
得に変わった点はない。
ただし、太陽を初めとした全ての天体は西から昇り、東に沈む。


-------------------------------------------------------------------------------
【各地の説明】
「始まりの駅」
物語の冒頭で登場する駅であるが、駅名は不明。クランの中では「始まりの駅」と呼称されている。
この駅を初めとし、Clan世界には駅、鉄道、列車が幾度も登場する。
鉄道は世界の主要な交通手段として用いられており、平地、山岳、海上等で常時運行している。
標高の高い山岳地帯では、列車は雲上を走行する。
■「ハロウィンの町」
これもクランの中で「ハロウィンの町」と呼称されているだけで、正式名ではない。
Clan世界のハロウィンは、仮装パレードを中心に町全体で行う祭りのようだ。
「図書館」
クランが立ち寄った、街の図書館。
上階7、地下22、合わせて29階層の巨大建築物。
ひとつの階が16〜32のホールに分けられており、各ホールの面積は100〜500平方メートル程度となっている。最も広い地下22階の総面積は1エーカー(約4千平方メートル)に及ぶ大迷宮となっている。
地下2階より下は全て書庫となっており、既に一般流通していない過去の書籍が収蔵されている。
また、地下20階より下は閲覧禁止区域に指定されており、一般閲覧者の立ち入りが禁じられている。
Clan世界で言う「図書館」は皆一様に大量の書物を蓄えた巨大な建造物であり、図書館に勤務する職員・司書は「ブックマン」と呼ばれている。彼らが人間であるかどうかは不明。
「寂れた駅」
クランとマレリィが出会った駅。高い山の上に位置している。
マレリィは改札を通ってホームについたところで、列車から降りて荷物をぶちまけたクランを見つけた。
マレリィは図書館のある街へ乾燥肉の買足しに行く途中だったので、クランと別れた後、次の列車に乗ってこの場から去っている)
「山と丘に囲まれた町」
クランとカイルが出会った町。
この町にはマレリィの面倒を見る医者が住んでいる。
「ハルキゲニア」
クランがハルキゲニアを目撃した場所。
険しい山の中。クランはそれを見るためにわざわざ山に登ったらしい。
「劇場」
クランと『彼女』が初めて遭遇した場所。
「山と丘に囲まれた町」の郊外、徒歩数時間の僻地にある。そのため、客は少ない。
この世界の劇場は、映画と演劇を同じ場所で扱っている。
「ガイトウヅルの丘」
クランが倒れた場所。
野草を採りに来たマレリィがクランを発見。クランが呼吸をしていないことに気づいたマレリィは、「山と丘に囲まれた町」へ急ぎ、医者を連れて引き返した。医者は最寄であるマレリィの家へクランを運び込む。
「マレリィの家」
クランが居候することになった家。丘の上に立っている。
町からも駅からも遠く、辺りに民家の姿はない。
クランが来るまで、マレリィはこの家に一人で住んでいた。両親はおらず、医者が親代わりとなって面倒を見ている。
マレリィは普段、近くの牧場で羊の番をしている。牧場で人手が足りている時は、町に出て医者の手伝いをしている。
「レックルランク駅」
ガルガンチュアが指定した駅。
ここに現れた列車は、本来運行しているものではなく、その晩に限ってガルガンチュアが「置いた」もの。
列車は線路ではない闇の中を走り、クラン達を「黒の傷痕」へ連れて行く。
「傷痕」
ガルガンチュアの住む場所。
外界から隔絶された空間である。
「見知らぬ森」
クランとマレリィが放逐された場所。
「繋がりの街」
クランとカイルが再会した場所。
「温泉」
旅の途中、クラン達が立ち寄った温泉。カイルは一人で入浴した。
「聖杯の見える断崖」
追跡してきた『彼女』とクラン達が対峙した場所。
かなりの高さがある崖だが、すぐ側にある段々の岩場を使えば登り降りにはそれほど時間がかからない。
「語る街」
かつては「街」と言える規模であったが、今は建物も住人も非常に少ない。街というより、村落。
住人は全員お互いの名前が言える。
東には森。西には堤防と砂浜、そして海があり、夏には泳ぐこともできる。


-------------------------------------------------------------------------------
【東方】
「都」と呼ばれる大規模な人口密集地があり、それを中心とした「国」が存在している。
Clanの舞台となる辺境地域とはあまり交流がない。そのため、辺境に住む多くの人は「国」や「都」を物語の中でしか知らない。

【西方】
「西海」と呼ばれる広大な海が広がっていて、点々と小さな島が散らばっている。
そこから更に西側は「西極海」と呼ばれ、異様な透明度を持ち、魚の棲まない海が広がっている。
西極海の果てについては、「垂直に駆け昇る滝が壁のように立ち、水平線を断ち切っている」「太陽は滝の中から現れ、その時蒸発した海水が雲となって陸地にやってくる」などと噂されるが、確認した者はいない。

【南方】
亜熱帯の山林、山岳地帯が広がっている。
それを超えると乾燥した砂漠地帯が姿を現す。
砂漠より南方は完全に未開で、名なき獣達が棲息している。
南方の極地には凍りついた海だけがあり、陸地は存在しないとされている。

【北方】
幾つもの町、村が存在している。
更に北へ行くと、やがて凍土に突き当たる。
凍土の果てには凍てついた海があり、そこを越えると白い大陸があるとされている。




BGM:水と風の交わる処
Innerstudio



目次