第24話:放逐
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リリリリリ…
小さな虫の声。木陰から。草陰から。
知らない森。
薄桃色に変わってゆく、冷たい枝先。
訪れる朝。

一体いつからこうしていたのか。
数秒か。数時間か。
私とマレリィは、ここに立っていました。
闇の王。その下僕。そして、『彼女』。
夢ではありません。
私達は確かに、あそこにいました。
そして、幸運にも舞台を降りることができた。
今、あの人達は。あの場所で雌雄を決している。
…パンタグリュエル。
辺りを見渡しましたが。
彼女の姿はありませんでした。
きっと戻っていったのでしょう。
彼女の大事な主人の元へ。

…私達も帰ろう。
マレリィを振り返って。
「クラン」
途方に暮れた、彼女の顔。
「ここ、どこ?」
                   …私達、迷子です。




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