第18話:記憶…

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眩しい。緑色の視界。
寒い。凍りつくような冷気。
…そうじゃない。これは、違う。
熱が。奪われていく。濁流のように。止め処なく。猛烈な勢いで。
それと同時に。
入ってくる。
黒い滲みが。
怒り、畏れ、怯え、悲しみ…。闇の構成物質。
これが、ガルガンチュア。
そして、溶けてゆく。私が。緑と黒の海に。
私は『闇の王』ガルガンチュア。奪うもの。
「まず、記憶をいただくとしよう」
私の声。ガルガンチュアの声。今は、ただ一つの声。

初めて食べたオムライス。
マレリィ。彼女が名前をくれたこと。
丘の上で迎えた、死。
ハルキゲニア。
嘘つきのカイル。
右腕をあげた、あの日。
初めての図書館。
ハロウィンの夜に。
それから…


寂れた駅の待合室。冷えた私を包む、暖かな光。
ここから、私の旅が始まります。


「そんな筈はない!」
混乱する思考。これは、ガルガンチュア。
「何故、そこまでなのだ?
 お前は…お前はどこから来た!?
恐ろしい問い。考えもしなかった。
私は。どこから来て。どこへゆくのか。




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