第10話:半身回帰 …そして「クラン」
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色白の肌。サックスブルーの髪。生気に輝く、その瞳。
「腕…ほんとに生えたんだね」
彼女はそう言って、にっこり微笑みました。
前に見た時よりずっと明るい表情。
彼女が失っていたもの。
私が与えたもの。
「すごく働いてくれるの」
右腕が誇らしげに空を流れます。

     …夢ではなさそうです。
     …そして、『彼女』との遭遇も。死の一夜も。また現実のもの。

少し考えてから。結論に辿り着きました。

     …私は、まだ生きているみたいです。

少女の声が優しく続いています。
「…いま、スープあっためてるから。なにか欲しいもの、ある?」

     欲しいもの?
     欲しいもの?  あ…。

「名前…」
私の唇から、その単語が。
少女は目を瞬かせて。少し沈黙しました。
それから。

クラン…っていうのはどう? 『お友達』っていう意味なんだけど」

眼球が。じんと熱くなりました。
生きてゆけます。


BGM:木漏れ日
sound avenue


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