第8話:死…

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恐怖だけが私を走らせました。
どこまで逃げても『彼女』の笑顔が追ってくるようで。
振り向くことができません。
目をきつく瞑って、私は闇の中を駆け続けました。

どのくらい走ったのでしょう。
私は知らない丘で倒れました。
   身体から、熱が液体のように流れ出てゆくのがわかります。
   心臓の鼓動が小さく、遅く…消えてゆきます。
   『彼女』が私の身体から奪ったのでしょうか。
   鼓動の停止まで、あと5分と42秒。
 不意に、朝日が辺りを照らしました。
 あそこに見えるのは恒星、名は「太陽」。
 そこに見えるのは草、名は「ガイトウヅル」。
     私は…名前のないモノ。
     目的のないモノ。
     意味のないモノ。
               そして、今。
               この世界からいなくなります。


BGM:とまどい
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